三つの名前を持つ作家~牧逸馬 [読書]
タイタニック関係の本を借りまくっておりますが、その中の一冊が牧逸馬氏の「世界怪奇実話」です。二冊ありますが、社会思想社の方は写真がありますので、その分いかにも実話なんだという説得力があります。
内容はスプラッタあり陰謀あり遭難事件ありと、当時のヨーロッパでの怪奇事件をこれでもかと取り上げています。
かなり悲惨な事件ばかりですが、文章は読みやすく、読みながらドキドキし、読み終わるとホーッと息をつく、そんな魅力に溢れています。繰り返しますが、内容はかなりすごいです。人間昔っから残酷だったのね。
文章もそうですが、タイトルがまた素晴らしい。
光文社版では島田荘司氏が別のタイトルをつけていますが、どんなにわかりにくくてもオリジナルのほうが魅力的です。「切り裂きジャックー女体を料理する男」「クリッペン事件ー血の三角形」のように、島田タイトルの後に牧タイトルがついていますが、これは逆の方がいいと思います。これでは先のタイトルが牧タイトルのように見えるでしょう?
牧氏の残りの二つの名前のうち一つは谷譲次、もう一つは林不忘。丹下左膳の生みの親です。
コメント 0