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先週の読書~080819 [読書]


モーティマー夫人の不機嫌な世界地誌-可笑しな可笑しな万国ガイド

モーティマー夫人の不機嫌な世界地誌-可笑しな可笑しな万国ガイド

  • 作者: トッド・プリュザン
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2007/07/04
  • メディア: ハードカバー


夏休み中につき、先週読んだのはこれだけです。
が、図書館からは20冊の予約確保の連絡が。
今週が楽しみです。

さて、このモーティマー夫人の著書ですが、心にゆとりのない愛国者と人種差別反対の方はお読みになりませんようご忠告申しあげます。
血管切れて救急車呼ぶことになりますから。
どのページをとっても、誤解と思いこみと差別と偏見と侮蔑に溢れております。
もちろん、それが作者が生きていた時代によるものであるのは間違いありません。
それでも、ここまで書くかなあ。
たとえば、
「イタリア人は家を清潔にするより、絵を描いたり彫像を置くことで頭がいっぱい」
「一般的にロシア人は信用できない」
「ハンガリー人はドイツ人より野蛮で、ほとんどの国民が読み書きできない」
「ポーランドをいくら旅しても、美しいものには出会えない」
「スウェーデン人はとても礼儀正しいけれど、うそつきで不誠実」
うーん。
ヨーロッパの国ですらこうなので、他の国々については言わずもがな。
そして、自分の祖国についてはこうあります。
「世界一幸せな国民に違いありません。イングランドほど聖書がたくさんある国は、ほかにはないのですから」
ちょうどヴィクトリアン・ライト・ノベルズを集中して読んでいたんで予約したんですが、どういった世界観?
モーティマー夫人の生き様自体がとても楽しいものだった(羊に海水浴させたり、鳥にベットで寝るよう強要したり)ようですが、それでもこの本が売れまくったということは、当時の子供達が似たような価値観を持っていたと思ってもいいのでしょう。
こりゃ、人種偏見があってもしかたがないかも。
でも、フィクションとしても読むととってもおもしろいです。
翻訳の方も上手なんでしょうが、ついつい引き込まれて、
「へええ、そうなんだあ」
「しらなかったあ、そんな国なんだあ」
「自分の国に生まれて幸せだなあ」
と思うことができます。
あ、各国の項の前には、当時のその国についての説明があります。
正しい知識も読み飛ばしてはいけません。
マアカはついつい・・・。
読んでいるうちに、
「アメリカ人は陽気で開けっぴろげで世界の警察を気取ってる」
なんて書いてある新聞記事と大差ないことに気づくでしょう。
そしてそれを信じてしまう自分も。


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